親御さんにとってお子様の日々の学習生活が順調であるかどうかの目安にテストや模試の結果が挙げられると思います。特に成績下位に甘んじているお子様の成績推移は親御さんにとって大きな関心事であり、不安の種でもあるでしょう。

なぜなら、多くの親御さんは人生経験から「勉強ができることで損になることなど何一つない」と感じていらっしゃるからだと思います。しかし、子どもは人生経験が浅く、テレビやスマホに音楽やゲームなど興味を惹かれそうなものが周囲に数多くあるので、親の言うことにもすんなり聞いてくれなくなっているのではないでしょうか。子どもが親の思いをどれだけ理解し、勉強のように思考力を高めていくものの重要性をどれほど把握しているでしょうか?

特に中学生になると、成長期も手伝って常に眠気を訴える子どもが増加してきます。ますます机から遠のくことで親御さんの心配は一段と増すばかりです。学校生活での小さなトラブルをきっかけに子どもの様子が急変することもあるでしょう。だから、家庭における子どもの言動には常に注意を払わなければいけません。それは言動や生活習慣での微小な変化である「無言のサイン」に気づいてあげられるかということです。

また、子どもが話す会話の内容についても、素直にその日あった出来事を全部話してくれる小学生と違って、中学生は自分にとって都合の悪いことや家族に迷惑をかけそうなことは、嘘をついたり言わなくなったりするようになります。中学生になって少し「だらしなく」なったと感じる我が子に対して、将来を思ってキツく叱ったりネチネチと説教をしてしまうと、子どもの口から本音が出てくる機会はますます遠のくばかりです。

叱って言うことを聞いてくれるのは小学生までで、中学生以降は注意したい感情はなるべく抑えてもらって、子どもの意見を取り入れつつ、数字やデータを使いながら論理的に説得していくほうが、子どもも理解しやすいし「頑張ってみよう!」と思うのではないかと考えています。親子一緒に話し合える時間を作っていきながら、そこで子どもが自然とその日の出来事を語ってくれるような親子関係を築き上げていくことが理想でしょう。

子どもが成長によって心身ともに日々刻々と変わっていくように、親も子どもとの接し方を工夫したり積極的に変えていかないと、気づかぬうちに我が子との間に「見えない壁」ができていることにもなりかねません。