その2からの続き

では「中学受験はいつ始めるのがベストなのか?」という本題にいよいよ入りましょう。

この問いについてどの時期から始めるのが最適なのかは、お子様の状況次第となります。

ここまで読まれて、勘違いをしていただきたくないのですが、中学受験を考えられる際において、最初に述べた「5つの条件」を満たすことが大切だということです。

純粋に子どもの成長を考えるのであれば、多少ワガママであっても、少し甘えが強くても、それは子どもとしてはむしろ普通です。そして、成長するにつれ、少しずつ角が取れ、ある瞬間、ずいぶん大人になったと実感する。子どもの自然な成長に従えば、親御さんはそう感じられるでしょう。

ということは、中学受験は実年齢にそぐわない要素、言い換えれば「より大人に近い、ものの考え方」が要求されることになります。

よく勉強ができる子どもは総じて論理的な話し方、考え方をします。まさに見た目は子どもでも、中身は大人といったところです。

そういった子どもの資質に関わる要素が求められるのが中学受験であり、お子様の精神年齢が実年齢相当もしくはそれ以下だと、子どもにとっても、親にとっても、中学受験は必然的に苦労の連続となります。


ですから、塾選びをお考えになる前に、まずわが子の言動をしっかり観察してください。

もし、わが子に心身面での「ひ弱さ」をどことなく感じる場合、上記「5つの原則」を参考にしていただき、お稽古ごとや習いごとなど、勉強以外のことで子どもの心身を鍛えていくことから始められるのも、一つの方法だと考えています。

そして、今年も間もなく中学入試が実施されます。わが子の中学受験をお考えであれば、入試当日、お近くの私立中学の入試会場へお子様を連れて行ってみてください。全く興味を示さない可能性もありますが、中学受験を意識させる貴重な機会だと思います。


わが子が中学受験で、どの中学校から合格をいただき、その年の春、どの中学校の校門をくぐることになるか?

それは今日からの親御さんがわが子のために取った選択、または日頃からの接し方や声かけの積み重ねで決まることだと思います。